お！400000HITゥー！！！

節目の数字というのは気持ちのいいものです。

忍者ブログでばキリ番ゲッターさんに独自の演出を入れる事ができるらしく、40万PV達成の時は仕込んでやろうと思っていたのですが、すっかり忘れており、昨日気が付いた時にはもう遅かったです(笑)

前回の30万HITが昨年の8月下旬…ということは、今回は5か月での10万HIT達成となりました。20万→30万の時が9か月でしたので大幅に縮んでいますね。1日あたりのPV数が一気に伸びたのが秋ごろからだったのでその成果がかなり大きく出ました。

ここ最近はブログの壁紙を変えてみたり、アクティブな相互リンクを増やしたり、過去記事を整理したりと、ちょこちょこ動いていますので、そちらの成果も出てくれるといいなぁと思っています。

いつも見に来ていただいている方、運悪くうっかり来訪してしまった方など、本ブログへ行きつく色々な事情があるかとは思いますが、引き続き本ブログをよろしくお願い致します。


「厄痛　～呪いのゲーム～」のゲームの続きをプレイします。



突然ですがみすず編は今回でクライマックスを迎えます。お楽しみに。

物事というのはいつだって突然なのです。

[9回]

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■　みすず編　第17話　「決意」

いったいどうすればいいのだろう。

わたしはコウゾウさんにわたされた小さな注射器を握りしめた。この中には劇薬が仕込まれている。

確かにスミレさんは社長を殺したのかもしれない。でもそれには何か理由があるような気がする。私の知らない理由が…。



しかし…だからといって彼女を許すわけにはいかない。どうすれば…。

ガチャン！

その時、どこからかガラスの割れる音が聞こえた。

わたしと省吾は顔を見合わせると音に向かって走り出した。


「こっちよ、省吾クン！」


わたしは省吾の前に立って階段を駆け上がった。

もうこれ以上スミレさんに罪を重ねさせるわけにはいかない。人殺しをさせるわけにはいかない。わたしはポケットの中の注射器を握りしめた。

階段を登るにつれ争う物音が次第に大きくなってきた。わたしたちは屋上へと踏み込んだ。

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屋上とか高いところはよくフィナーレに選ばれますよね。

逆に地上とか地下深くというのはあまり効きません。

空のスケールというのがフィナーレのイメージにマッチする事が多いんでしょうねぇ。

やっぱり目立つからなんでしょうか。

さて、ここから最後までノンストップで行きます。

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吹く風が冷たく頬をなぞる。

明るい月を隠す黒い雲が次第に空を覆っていく。そしてひと粒、ふた粒と雨のしずくが落ちてくる。そして、その雨空の下で暴れまわる怪物がいた。



怪物はコウゾウさんを狙ってしつように襲い掛かる。



でも…その鳴き声は怒りに震えているようにも、悲しみに嘆いているようにも私には聞こえる。

わたしにはその怪物がスミレさんであるということが分かった。なぜだろう。そんな気がしていたんだ。


「待ちなさい！」


わたしは注射器を両手に持って、怪物と向かい合った。

怪物のスミレさんはわたしを見ると、ゆっくりとした足取りで近づいて来る。

その瞳にすでに知性の色は無く、エサを前に食欲をむき出しにする、獣の本能しかなかった。


「いやっ！来ないで！来ないで、スミレさん！！」


わたしは声を限りにして叫ぶ。

しかし、もう言葉すら通じないのか、徐々にわたしへ近づいてきた。

そのとき…。



わたしが恐怖で動けなかったその時、わたしとスミレさんとの間にあの幽霊が現れた。夢の中で出会ったスミレさんの弟…。

幽霊はスミレさんに優しく話掛けた。




「姉さん、もう終わりにしよう…もう、これ以上苦しむことは無いんだ」


幽霊は悲しい声でスミレさんに訴える。


「帰ろう。ボクも一緒に行くから…」


幽霊の声にスミレさんは一瞬だけ動きを止めた。何かを思い出すかのように目の前の幽霊を見つめている…。

しかし、それもほんのわずかな間だけで、ふたたびスミレさんは暴れ始めた。

もはやスミレさんはスミレさんではない。そこにいるのは一匹の怪物だけだった。

怪物はわたしに狙いを定めると、一直線に襲い掛かってきた。

わたしは掌の注射器を握り直した。これをうてば怪物は死ぬ。しかし怪物が死ぬということは、スミレさんが死ぬということでもある。それは一人の人間のすべてを断ち切ることと同じだった。でももう迷っている暇はない。

唾液をまき散らす怪物の顔が、見る間にわたしに迫ってきた。

その瞬間、わたしは…！！


「このおおおっ！」




わたしは一瞬のスキをついて、怪物のふところに飛び込んだ。身体をあずけるようにして胸に針を突き立てる。わたしは必死で薬を怪物に打ち込んだ。

しかし…！


「き、効かない！？」


怪物はわずかによろめいたが、すぐにふたたび襲い掛かってくる。わたしは追い詰められて逃げ場を失ってしまった。

その時…。


「やあああああ！」


もうだめかと思ったその時、今度は省吾が怪物の背後にまわって二本目の注射を打ち込んだ。

その瞬間、怪物は動きを止め、地鳴りをあげて倒れ伏した。


「大丈夫かい、牧原さん？」

「…なんとかね」


わたしは省吾の手を借りて立ち上がった。

わたしたちの足元には怪物が、かつて人間だったスミレさんが倒れている。まだｋすかに息があるものの、それも時間の問題であろう。

そしてしばらくすると、呼吸が静かに止まった…。

瞳の輝きが急速に消え失せていく。


「…終わったんだね、何もかも」

「そう、終わったのよ。ひとつの悲しい運命が…」


わたしと省吾は寄り添いながら、怪物の哀れな最後を見届けていた。


「ありがとう…これで姉さんもようやく自由になれる。いちばんつらかったのは姉さんなんだ。本当に、ありがとう…」


幽霊がそういうと、足元の怪物から青白い炎のようなものがわきあがる。

それはきっとスミレさんの魂であろう。


「ありがとう…」


声はどこからともなく響き、そして消えていく。

スミレさんの魂は目の前を2、3度回ると、雨の降りだした夜空へ漂っていった。



わたしと省吾は登ってゆく魂をいつまでも見守っていた…。

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これにてみすず編は終了です。

いや、マジで。

色々と消化不良な部分は残りますが、それはザッピングシステムがこれから解決してくれるはずです。


これまではみすず主観のみすず編をずっと追ってきましたが、今回のクリアによりスミレ編がアンロックされました。これでスミレ主観で物語を追う事ができるわけです。

構成は全17話で同じ時間軸で進みますので、みすずがコレをしていた時、スミレはアレをしていたという事がわかるようになります。なぜゲーム終盤にスミレが何故ツブレビルにいたのかなどもわかるようになるはずです。

…実は省吾編というのもあるのですが、だいたいみすず編とカブるのでカットさせていただきたいと思います。すまん省吾(笑)

と、いうわけで次回からスミレ編を進めていこうと思います。

乞うご期待！


残念ながらまだ終わらんのです、厄痛は(笑)



【今日も迷宮を往く　厄痛　～呪いのゲーム～】

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