極限脱出　9時間9人9の部屋のプレイもいよいよ3周目となりました。

既読スキップ機能が本当にありがたいですね。ノベルゲームにこれがついていないゲームはクソゲーと言われがちですから…。そこはノベルゲームについては安心と信頼のチュンソフトと言えますね。


さて、今回のルートは【大階段】では【4の扉】に、【大病室】では【7の扉】に入るルートで行こうかと思います。

【4の扉】ルートではサンタから四葉のクローバーの栞をしっかりと回収しておきます。それから【7の扉】は初めてルートですね。

かくしてチーム編成はこうなります。


チーム7の扉：四葉・淳平・セブン



チーム8の扉：サンタ・紫・八代



これは新展開に超期待です。

ていうか、ここの分岐では必ず四葉とは一緒になるんですねぇ。

[11回]

【7の扉】を開き、3人はDEADでの認証を終えます。


セブン：「ふぅ…それにしても慣れねえな、この認証は。」

四葉：「図体の割には、意外と肝っ玉は小さいんだね、おっさん。」

セブン：「あーん？なんだとテメェ！もういっぺん行ってみろや、ゴルァ！」

淳平：「おいおい、こんなところで仲たがいはやめろよ。何の得にもならないだろーが。」


案の定、入れる扉は壱枚。そしてその扉の上には【Operating Room】と書かれています。【手術室】ですかね。



扉を開けると、左手に大きなついたてが邪魔して部屋全体を見渡す事ができません。四葉が淳平を追い越し、ついたての向こうへと飛び込んでいきます。すると…。


四葉：「キャァーッ！！」


開けた空間に転がりこむと視界に入ってきたのは…



ベットの上には人型の何かが横たわっています。【8の扉】の先にも同じものがありましたね。あっちは【実験室】んでこっちは【手術室】と。因果を感じずにはいられません。恐る恐る近づいてみると…



間違いなく人形ですね。
ちなみに探索をするとわかるのですが、この模型の名前は『ジョン』というそうです。


淳平：「ちっ、なんだよ、ただの人形じゃないか…。」

四葉：「に…人形？？？…本当だ…人形じゃん…。ったく驚かせないでよね、もう…。」

セブン：「肝っ玉の小せぇ女だな。身体と同じでミクロサイズか。」

四葉：「うるさい！黙れ、筋肉バカ！」

セブン：「おっ、やんのか、ちびっ子め。」

四葉：「上等じゃないのよ、この黒ブタまんじゅう！」


おまえらいい加減にしろ。

淳平は気を取り直して、人形の心臓部に注目します。わざわざ作ってあるという事は何かしらの意図があるという事です。さっそく探索を開始しましょう。

探索をしていると、女性の人体模型も見つかります。こっちは『ルーシー』という名前のようです。しかし、『ルーシー嬢』は身体のパーツがあっちこっちに散らばっているようなので探してあげましょう。

人体模型を探している間にセブンがふと立ち止まります。


淳平：「おい、どうしたんだよ、セブン。」


セブンは茶色いビンをしげしげと眺めています。


淳平：「なんだそのビン？」


ビンの側ラベルには【Ethylene Diamine Tartrate】と書かれています。


セブン：「EDT-酒石酸エチレンジアミンのことだ。医薬品じゃねぇ。確か工業用の清浄剤かなにかだったはずだ。」

淳平：「なんでそんなのがここに…？何を浄化するんだよ。」

セブン：「少なくとも俺の頭ん中は、ほんの少しだけ浄化されてくれたみたいだぜ。」

淳平：「何か思い出したのか？」

セブン：「思い出したのは、EDTにまつわるこんな話だ。今から半世紀以上も前のことになる。アメリカのとある工場で、EDTの巨大な結晶を作っていた。目的は、さっきも言ったが、工業用の清浄剤として売るためだ。ところが…。」


あー、始まったよ。うんちくタイムが。

その生産工場が稼働を始めてから1年後のある日。EDTに水の分子がひとつだけくっついた、いわゆる水和物と呼ばれる結晶ができるようになってしまったそうです。水和物は役に立たないので廃棄処分にせざるを得ません。

この話これで終わりではなく、この日を境にして、他の工場でも、同じ現象があらわれるようになったというのです。今までと同じ手順、材料、環境で作ったのにも関わらず出来上がるのはすべて水和物。

それからというもの、世界各地のありとあらゆる工場で、純粋なEDTの結晶は一切作れなくなってしまったそうで。


淳平：「似たような話をさっき聞いた。【4の扉】の先にあった冷凍庫でな。」


極限脱出　9時間9人9の部屋　10ゲーム目　「中坊じゃないよ厨房だよ」 を参照

淳平は冷凍庫で紫から聞いた話をセブンに伝えます。


セブン：「…ちょっと待ってくれ。何か思い出せそうなんだ。」

淳平：「【Ice9】のこと、知ってるのか？」

セブン：「【Ice9】…。そうだ！思い出したぜ！この船にはあの少女がいるんだ！」

淳平：「あの少女…・」

セブン：「アリスのことだよ！」

淳平：「アリスって誰だよ…？」

セブン：「だから常温でも溶けない…凍りついたあの少女の事だ！」

淳平：「なんの話だよ！？」

セブン：「1912年4月15日の未明、タイタニック号が沈没したことは知ってるよな？遺体を回収した船の事は知っているか？」

淳平：「確かカルパチア号じゃなかったか？イギリス船籍の客船だったと思うが。」

セブン：「違う。そいつは生存者を救出した船のことだ。遺体を回収した船は『マッケイ・ベネット号』という。ベネット号は、事故発生から2日後の4月17日。カナダのハリファクスにある港を出港。現場海域において306人の遺体を収容。そこは氷山の漂う極寒の海原。当然のごとく、引き上げられた遺体はガチガチに凍りついていた。」

淳平：「気分のいい話じゃねぇな。」

セブン：「ベネット号が引き揚げたのは、遺体だけじゃなかった。洋上に浮かんだ数々の遺品も回収したと言われている。その中に一基の棺があった。」

淳平：「棺…？」

セブン：「そう…棺だ。木製のな。」


その組み木細工のような構造にも関わらず、1本の釘も使われてなかったその棺は、少しの隙間もなくびっちりと密閉されていたらしいです。船員たちは気になって、その棺を開けてみることにしました。クサビを打ち込み、強引にこじ開けます。すると中に閉じ込められていたのは…。



一人の少女の亡骸だったそうです。気品漂うその顔立ちは、まるで女神のように美しかったと言われています。彼女は死んでいましたが、血色のいい艶やかな肌をしていました。

しかし、他の犠牲者と同じように冷たく凍りついていたそうです。しかし、その凍った遺体は溶けることなく、ずっと凍りついたままだったそうです。

その内、いつまでも溶ける事のないその遺体を『奇跡』と呼ぶようになり、いつしか【ALL-ICE】…【アリス】と呼ぶようになったとか。


セブン：「だがその噂も長くは続かなかった。消えちまったんだよ。アリスの姿が、忽然と。何者かが倉庫に忍び込んで、アリスの遺体を持ち去ったらしい。姿が消えれば噂も消える。次第に彼女のことは忘れ去られて行き…今では当時の新聞に、その名残をわずかにとどめるばかりだ。」

淳平：「待ってくれ。おまえはさっき『この船にはあの少女がいるって。』」

セブン：「ああ、言ったな。アリスは間違いなくこの船のどこかにいるはずだ。俺は知ってるからだ。その後アリスがどうなったのかを。」

淳平：「聞かせてくれ。どうなったんだ、アリスは…？」

セブン：「当時ニューヨークには、世界中の富豪たちが集まるブラックマーケットがあったと言われている。そこのオークションで、アリスは競売にかけられたんだ。落札した人物の名は、【サー・デュエフ・ゴルダイン】。聞いた事のある名前だろ？」


【ゴルダイン卿】といえば【ギガント号】を買い取った人物ですね。


セブン：「【ゴルダイン卿】は1912年にアリスを手に入れてから、1916年に【ギガント号】を手に入れ、そこのどこかにアリスを隠した。それがどこなのかはわからんがな。【ゴルダイン卿】は1931年にこの世を去っている。アリスの行方は知れず…だが…。」

淳平：「だが…？」

セブン：「ゴルダイン卿の側近が、一度だけ尋ねた事があるそうだ。『アリスはどこに？』。すると彼はこう答えたという。『ギガントのへその下、知識の森を抜けた小部屋にアリスは眠っている』。」

淳平：「なんだそりゃ。暗号か？」

セブン：「知らん。だが、そんなわけで俺は確信している。ギガントのどこかに、氷の少女が隠されているってな。」


成程。こう話が繋がってくるわけですか…。タイタニックをここまで押してくるとは以外でしたね。

ていうか、どいつもこいつもタイタニック関連詳しすぎ。

人体模型の収集も終わり、部屋を出ようとするとセブンが声を掛けてきます。


セブン：「おい、ちょっと待て。四葉がいねぇ。」

淳平：「ったく、なにやってんだよ、あいつ。セブン、ちょっと待っててくれ、連れてくる。」


てなわけで、次は四葉イベントです。



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